糸東流空手道   
  正修館国分寺道場
  (国分寺ひかり空手塾・練成会)
 
 
 
Shitoryu Karate-do Seishukan
 柳生新陰流の身体操作の研究から生まれた独り稽古法
天狗堂メソッド
「習い」編 武術上達のための基本稽古法
 池之側浩 著 より
 
 現代人の生活様式は、机にイスやベッドの生活があたりまえになっていて、知らない間に西洋化に変化しています。(中略)
 スポーツの体の使い方は、外側の筋肉を主に使いますので体格や身体能力に影響を受けます。原則として体幹を動かさないで手足を動かします。そして地面の反動を使うのが特徴です。地面を蹴ったり、足を踏ん張ってその反動で動くのが基本原理となります。多くの場合は、地面からの反発力を順次足から体幹、そして腕から手に伝えて加速度的に大きな力を発生させることができます。しかしその反面、体にタメが出来ますので、動き始めにロスタイムが発生します。瞬間的に足が固まって体が居着くのが致命的です。居着きを嫌う武術には不向きな運動原理だといえます。
 一方武術の体の使い方は「能」「仕舞」「茶道」「華道」等の伝統芸能と共通する所作で、柔らかく美しい体の使い方が特徴です。(中略)スポーツとは逆に内側の深層筋や腱や靭帯を使います。手足を動かさず体幹を動かしますが、腰はねじりません。そして大原則は、地面の反動を使わないということです。脱力した体のバランスや重みを活かして体の中心である体幹を動かし、その体幹に連れて手足が動くというのが基本原則です。ゆっくり静かに等速度に動きますので、体が居着かずに動き続けることができます。また、相手から起こりが見えにくいという利点がありますので武術に適しています。ただし体の内側の使い方が難しいので、身につけるのに時間がかかります。現代人が武術の稽古をするには、先ずこの体の使い方を身につける必要があります。その具体的な方法が形稽古です。